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少し、意味がちがうんだ。

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バレンタイン小ネタ

バレンタイン、休日だったのでざかざか書きましたv
すみませんがクラティ甘々ではありません……。

 

仕事の伝票や雑誌なんかで乱雑なデスクの上に、ちょこんと置かれているそれ。
殺風景なクラウドの部屋でひときわ目立つピンクの包装紙と赤いリボン。
昼にはそこに何もなかったから、ついさっき帰ってきたクラウドが持ち帰ってきたものだと思う。
今日は2月14日。
誰かからクラウドへのバレンタインの贈り物だということは、考えなくても分かる。
「クラウド、これ誰にもらったの?」
贈り物の横にコーヒーの乗ったトレーを置いて問うと、ベッドの上で地図とにらめっこしていたクラウドが「ん?」と顔を上げた。
「ああ、配達先の客にもらったんだ。いつも世話になってるお礼だって」
「ふうん」
よく見ると、大きなリボンに隠れてメッセージカードが挟まっていた。
人に贈られたカードを読むのはいけないってことぐらい知っているけど、ちらりと見えてしまった文字にわたしは驚いて、リボンの間からカードを抜き取ってしまった。
「『一目会った時からあなたが好きです。よかったら付き合ってください』」
読み上げたわたしを、クラウドはとても驚いた顔で見た。
「なんだって?」
「メッセージカードだよ。気付かなかったの?」
わたしが差し出したカードを受け取って、クラウドはまじまじとそれを眺める。
「それ、本気の告白だよね。クラウド、どうするの?」
「いや、どうするもなにも……放っておくしかないだろう」
「そんなのだめ!」
目を丸くするクラウドにわたしは詰め寄った。 
「その女の人に、『俺には恋人がいるから付き合えません』ってはっきり断ってきて!ティファが泣いてもいいの?」
「な、泣く?」
「ゆうじゅうふだんな男は女を泣かせるって父ちゃんが言ってたもん!」
「優柔不断……子供に何を教えてるんだバレットは……いや、マリン、俺は別に迷ってるわけじゃないぞ」
「それは分かってるよ。でも、どっちにしろはっきりさせてあげないとその女の人も可哀相でしょ!?」
「まあ、そうかもしれないが」
そんなこと、わたしでもわかるのに。クラウドって、なんていうのかな、きっとにぶいんだ。
「それと、それ隠した方がいいよ。ティファには内緒にしてあげるから」
「隠す……のか」
「ティファだってそんなの見たくないよ。だいたいね、バレンタインに他の女の人からのプレゼント受け取るなんてうかつすぎるよ、クラウドは!」
「……そうか、そうだよな。悪かった、気が付かなくて」
クラウドはすまなそうな顔をして、そして少し首を傾げて言った。
「マリンも……見たくなかったか?」
わたしはちょっと考える。
誰かに好かれるのは悪いことじゃないかもしれないけど、でも……
「クラウドを誰かに取られるのはいやだもん」
そう言うと、クラウドはにこりと笑った。
「約束するよ。これからは、ティファとマリンから以外は受け取らない。この人にもはっきり断る。あと……ティファには内緒にするよ」
その答えに満足して、わたしはクラウドの部屋を出た。

まだ冷蔵庫にしまってある、ティファと一緒に作ったクラウドへのチョコレート。
「いつもありがとう」と書いて添えてあるわたしからのメッセージカードに、「大好き」って書き加えようと思った。


おわり


というわけでクラウドとマリンのバレンタインでした。クラティじゃなくてすみません!
読んでくださった方ありがとうございました!
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