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クラティの場合、やっぱり欧米式で考えるのが楽しいです。
で、これはSSにも書いたことあるんですが、クラウドからティファへの贈り物は花束がいいな~って。
アクセサリーとかちょっと奮発したプレゼントは誕生日って決まってて、バレンタインは毎年花束。もう定番になってて、ティファもこの日クラウドから花束贈られるのを楽しみにしてるといい。……もうこの二人夫婦でいいじゃん。
だいたい、クラウドがティファの為に花屋さんに行って花を選ぶってのが萌えるよね。一応選ぶってのがポイント。ティファのイメージに合いそうなのを一種類だけ選んで、あとはセンスがないから(笑)店員さんに適当に見繕ってもらって花束にしてもらうの。店員さんは当然用途を聞きますよね「バレンタインの贈り物ですか?」とか。そしたら照れながら頷くクラウドとか。照れながら……もう!くっそ可愛い!ばか!
ティファからクラウドへは、手作りの何か。チョコでもいいし、他の手作りスイーツとかでもいいと思う。食べ物じゃなくても、手編みのネックウォーマーとかもいいな!冬はバイクで走るの寒いし重宝しそう。
ティファは何でも「手作り」しちゃうイメージがあるかな。家庭的というか。そして、確実にクラウドが喜ぶものを贈ると思う。いや、クラウドはティファの愛情がいっぱいこもった手作りのもの貰ったらなんだって嬉しいと思うんですけど。これ私の中で鉄板のクラウド像なんですけどもねうふふ。いいよねそんな二人。いいよね、そんな嫁…。
そうやってお互い贈り物をして愛情を確かめ合う二人のバレンタイン…欧米式おいしいです。
日本式もまた違った美味しさがあるんですけどね。
クラウドが他の人からチョコもらってティファがやきもちやく系の話なんか可愛いよな~なんて…( *´艸`)
てことで、そんなSS書いてみました。↓↓↓
「はい、ストライフデリバリーサービスです」
クラウドの部屋の電話は、彼の仕事の受付専用だ。チラシにも載せてあるし、最近一新配布されたエッジのタウンページにも載っている。クラウド本人は配達に出ているのがほとんどなので、電話の応対は主にティファや子供達の役目だった。今日はデンゼルもマリンも揃って友達と遊びに出かけたので、正午過ぎに鳴った電話を取ったのはティファだ。
『あの……』
「はい?」
『…………』
電話の向こうの女性客は『あの』と言ったきりなぜか沈黙した。
不自然な間に、もしや間違い電話かとティファが思った時、ようやく相手が話し出した。
『あの、明日、届け物お願いしたいんです』
「はい、ありがとうございます。明日ですね?どちらからどちらへの配達ですか?」
『……私エッジに住んでいる者ですけど、そちらの配達の人に渡したいものがあるんです』
「え……?」
『バレンタインのチョコレートなんですけど……そういうの、だめでしょうか?』
「え、と……」
ティファは言葉に詰まった。そして歳の頃まだ10代かと思しき声の主の言わんとすることを理解すべく頭をフル回転させた。明日はバレンタインデーなので、チョコレートを届けて欲しいという依頼になんら不自然な点はない。そんな依頼なら他にもいくつか受けている。
だがしかし、電話の女性はたしか『配達の人に渡したい』と言った。
つまりクラウドにバレンタインのチョコレートを渡し、愛の告白をしたいと……そういうことだろうか。
「あの……当社の配達人に、ですか?」
意味を取り違えては失礼なので、ティファは慎重にそう問い返した。
『そうです。大きなバイクに乗った、金髪の男の人、いますよね?』
「……ええ」
『私、一目惚れをして……でもどこに住んでいるのかわからなくて。電話をすれば荷物を取りに来てくれると聞いたので、その……依頼として受けてもらえないかと……』
もちろんお代は払います、と女性は申し訳なさそうに付け加えた。たぶん非常識なことを言っている自覚があるのだろう。それでも、どうにかしてクラウドに想いを伝えたいと、意を決して電話を掛けてきた……そんな様子だった。
ティファはそっと深呼吸してから、努めて穏やかに、相手に伝えた。
「すみません。そういう依頼は、引き受けられません」
『……そうですか。わかりました』
相手が電話を切ったのを確認すると、ティファは今度こそ大きな溜息をこぼし、静かに受話器を置いた。
落胆した声色ではあったが、女性はあっさり引き下がった。断られることを予想していたふうだった。きっと真面目で、純粋な子なんだろう。そう思うと、少しだけ良心が痛んだ。
誰かが誰かを想う心は自由だ。クラウドに恋する彼女の想いを否定する権利はティファにだってないはずだった。それを勝手に断って良かったのだろうか?
「……なんの依頼だったんだ?」
突然背後から掛けられた声にティファは驚き、振り向いた。
「……びっくりした。いつからいたの、クラウド」
クラウドは肩をすくめて、今さっき、と答えた。
今日のクラウドの仕事はエッジ内の配達が数件のみ。そういう場合、空いた時間に休憩がてら家に立ち寄ることも珍しくはない。でもよりによってこのタイミングとは。ティファは苦笑しながら小さく首を横に振った。
「下で話すわ。仕事中なんでしょ?コーヒーでも飲む?」
「ああ、もらう」
動揺が収まらないうちにクラウドが現れたので少し慌てたが、もともと隠すつもりもなかった。
「へえ……」
ティファの話を聞き、クラウドはどこか他人事のような顔で頷いた。
好意を寄せられていると人づてに聞いたところで実感などないのだろう。
「心当たりはないみたいね」
「ああ、全く」
クラウドはコーヒーを一口飲んだ。
「で、断ったんだろ?」
「うん……」
「ならどうしてそんな浮かない顔をしてる?」
そんなに顔に出てたかしら、とティファは思わず両手を頬にやった。
「……私が勝手に断っても良かったのかなって。彼女はクラウドに伝えたいことがあったのに、私が妨害しちゃったわけでしょ?なんだか後味が悪くて」
クラウドはその答えが不快だと言わんばかりに眉根を寄せた。
「本気で言ってるのか、ティファ」
「え、だ、だって」
「妨害だって邪魔だってすればいい。ティファにはその権利がある」
「……権利」
「だいたい、そんな事気にしてたら俺は一年中浮かない顔をしてなきゃならない」
「……ん?」
クラウドはスツールの背にもたれて腕組みをした。その表情は不機嫌というより、拗ねた時のそれだった。唇がわずかに尖っている。
「なんでクラウドが拗ねてるの?」
「……拗ねてなんかない」
覗き込むティファの視線からふいと顔を逸らして、クラウドは席を立った。
仕事に戻る、と言ってドアに向かうその背中を、ティファは慌てて追った。
「ねえ待って、クラウド」
クラウドは決して怒っているわけじゃない。ただ、拗ねている。
話の流れを思い返して、ティファはその理由に思い当たった。
権利――。
誰かの想いを否定する権利はなくても、クラウドを独占する権利はティファにあるのだ。
他ならぬ彼自身が、望んでそれをティファに差し出している。そして、
誰にも遠慮なんかせず俺を独占すればいい、俺はとっくにそうしてるのに
と、そう拗ねている。
クラウドがドアを開ける寸前、ティファは彼の背中に追いついた。
思い切って抱きついて、足を止めさせる。
「……どうした?」
「うん、あのね……」
ならば、その権利を行使しよう。
思いっきり、甘えてしまおう。
「もし私以外の人からチョコレートを渡されても、受け取らないでね」
振り向いたクラウドが困惑したように眉尻を下げたので、ティファはふふっと笑った。
「……俺に渡そうなんて奇特なやつはそういないと思うけど」
「あら、じゃあ私も奇特な人?」
まだ少しだけ尖り気味だったクラウドの唇が、ふと緩む。
「かもな……」
やけに甘いその声が、ティファの唇に重なった。
おわり
いざ書いてみたらティファがあんまりヤキモチやいてなくて、クラウドが拗ねる話になってしまった。おかしいな…。
以上、バレンタインの妄想でした。